こんな腰痛は要注意(椎間板ヘルニア編)

そもそもこのページを見る方は相当マニアな方であると思いますが、

皆様は「ヘルニア」と聞くとどのようなイメージがありますでしょうか?

「腰痛の強いVer.」・「坐骨神経痛」・「ぎっくり腰のこと?」

と、世間的には「腰痛」との関与がイメージされるかと思います。でも本当の腰椎椎間板ヘルニアは実際の臨床現場では様相が違うのです。その1例を紹介します


はじめに結果をお話すると、この方は「お手上げ状態」でしたので、即、かかりつけ医に相談して頂き手術で改善した例です。

ですが、この「お手上げ状態」なのかどうかをしっかりと見極めるのも我々の大事なところだと思いこのブログを投稿させて頂きました。


来院の理由


右の腰から脚がずっと痛くて・・整形外科に行っているんだけど全然ダメで・・

という60代男性でした

整形外科では

脊柱管狭窄症

という診断名で、いわゆる神経痛と言われ”神経痛”の薬を処方されていました

歩くときはほとんど脚が伸びすに、曲がった状態です。

実は整体院にも通っていて、かれこれ10回は施術を受けています。やって
もらうと楽なんですけど、すぐに元に戻ります。

ということで、友人に紹介されて来て下さりました。


問診で違和感


その異様さは「問診」の段階ですでにありました

夜に寝ていても痛みで起きます。というか、痛みで眠れません

実際に寝る際に仰向けになった瞬間に

「あ、痛てててて・・・・・・」

となる方はたくさんいると思います。それはまた理由があるのですが。

この方の場合、「眠れないほどの痛みが常時(安静時に)ある」というのが問題です

夜間に痛みが常時ある場合、「炎症」「器質的な病変」および「内科的疾患」を疑うことがあります

医療現場では”レッドフラグサイン”と言われます


決め手となった「尿・便の感覚」


この年齢になって、尿意が分かりづらくてね。夜は尿パットをしています

と、60代以降の男性では良くあるお話ですが、一応聞いてみました

便の感覚はありますか?

すると・・

最近、便の感覚もニブいというか・・

というところでほぼ80%は「お手上げ状態」であることが確定されました。


その他の検査


他の検査もしっかりと行います

坐骨神経にストレスを掛けるテスト(SLRテスト)や、感覚検査(デルマトーム)、筋力検査(MMT)

、腱反射テストなど。いわゆる神経症状が出ていないかを確認するテストを実施します。

ここで症状が出れば・・・

「はい!これはアカンやつです!病院直行!!」

と言うのですが・・、なぜかここであまり明確な陽性所見が出てこなかったのです

ですから、かかりつけ医もあまり大事にしていなかったのかもしれません

※臨床現場では所見が得られないのは良くあることです だから難しいのです。


そこで施術をしてみた


明らかな陽性反応はありませんでしたが、痛みの部位や脚への放散部位からして、おおよその障害部位は特定できます

今回は「第5腰椎と第1仙椎」の間にある神経根症状と考察し、

その部位を徒手的に拡張操作してみます。するとその時だけは腰の動きがスムーズになり、姿勢も良くなるのですが、時間の問題ですぐに元に戻ってしまいます。

ですが、「第5腰椎と第1仙椎」を操作すると1次的でも動きが変わる。というのも大きなヒントとなりました。


説明


この男性にはこのような話をしました

整形外科的な検査では明らかな神経症状は見つかりませんが、かかりつけの医師に「おしっこと便の感覚が無い」と伝えてみてください。それで分かるはずです。

①おしっこと便の感覚が悪い

滅多に見られませんが、これは「膀胱直腸障害」と言われ、第5腰椎と第1仙骨の神経が膀胱や直腸を支配する為に見られる症状です。問診の時点で「これは・・」となりました

②安静臥床時痛

よくある腰痛は「動くと痛い」や「ずっと座っていると痛い」ということはありますが。就寝時に常時疼くように痛む。というのは普通ではありません。精査を要します

③徒手的な操作で部位の確定

考え得る障害部位を徒手的に操作した後に即時的な変化が見られたため、その部位に何かしらの素因があると判断

そして、そのまま通院している病院へ直行して頂きました


後日談


奥様と一緒に来て下さりました。超ニッコニコで(^^♪

もうこの時点で

良かったぁぁぁ・・・・・・

と一安心。

結果的には

医師に「便の感覚が無い」と伝えたところ、すぐにMRIの検査となり。大きなヘルニアが見つかったそうです。

これはイメージ写真ですけどね

大病院でMRIを撮って、そこの先生からは

とりあえず、3か月くらい様子みてから手術するか決めましょうか。

と言われたようですが、

そんなこと言わないで・・すぐにお願いします・・

とお話したようです。

そして数日後に手術決行

2週間ほどで退院し(早いですね)、痛みもほぼ無くなったようでした(術後の痛みが少し残る)


まとめ


私自身が症状を改善させたわけでも何でもないので、何も偉そうなことは言えないのですが。

しっかりと症状を鑑別すること

これはすごく大事なことです

我々の業界では「私に任せてください!だから通ってください!」と言いがちですが

自分には改善出来ないということを認めること。

も重要なのかな。と思っています

特に「腰椎椎間板ヘルニア」というのは、「腰痛」もありますが、「神経症状」が主であることをぜひ知ってもらえたらと思います。

今回はあまり例をみないような症状の方で、当サロンにはほとんど来られないような方でしたが

そのような事もあるんだよ!というのを少しでもお伝え出来たらと思いました。


PS おまけ話


実は・・

腰痛が無い人

1000人くらいMRI撮影したら、どのような結果になるか知っていますか?

腰痛が

無い人。

ですよ?

・・

実は

半分くらいは「ヘルニア」が見つかるんです。

これすなわち

ということなのです。

難しいですよね~

これが医学の世界です

詳しく知りたい人は・・ぜひ来てみてください(^^♪